2011.07
08
Fri
今日7/8、中国、四国、近畿、東海地方の梅雨が明けました。平年より中国、近畿、東海地方の梅雨明けは平年より13日早く、四国地方は10日早く、昨年より9日早かったようです。太平洋高気圧が強まって梅雨前線が北上したためです。
いよいよ夏山シーズンに入りました。6月末には集中豪雨で上高地入り口の道路が遮断されてヤキモキしましたが、すぐに復旧し7月を迎えています。涼しい山に出かけてリフレッシュしましょう。
白馬岳の北、三国境と雪倉岳の稜線は花の宝庫です。ウルップソウは有名な高山植物ですが、なかなか綺麗な花苞を見る機会に恵まれません。雪解け間もない夏山の前半であれば、見れるのではないでしょうか。雪が残る稜線で瑞々しい青紫の花を見たい方はぜひ、早めにお出かけください。
登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。
加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。
2011.07
03
Sun
登山するものにとっては人気の高い高山植物でケシ科の多年草です。名前の由来はその花の形が馬 (駒) の顔に似ていることからつけられたようです。花の色がピンクなので女性に人気があるのだと思います。
葉は根生葉で細かく裂け、白く粉を帯びています。花期は7~8月です。地上部からは想像できないような50~100cmほどの長い根を張っています。
私が最初に見たのは北アルプス白馬岳でした。生育している場所は他にもあり、同じ北アルプスの乗鞍岳、蓮華岳や八ヶ岳の硫黄岳、稲子岳、北海道大雪山でも見ることができます。共通しているのは花崗岩や流紋岩が風化作用で砂礫化した場所ということです。
一見堅くて丈夫そうな岩石ですが、地中深くゆっくり固まってできた花崗岩などの深成岩は様々な成分が結晶化しています。御影石に代表されるように表面を磨いたものは色や模様の美しさから石材として昔から利用されてきました。綺麗な模様の元である様々な結晶、石英や長石や雲母などはそれぞれが持つ熱膨張率が違うために、一旦地表に露出すると水分の凍結作用や岩石は膨張収縮等によりバラバラになり易いのです。見事なオブジェで山岳写真好きなら一度はシャッターを押すと思われる燕岳をイメージすると分かりやすいかと思います。
砂礫の斜面では風や地球の重力によって、砂礫が下へ転がっていくので、植物が育つベースである土壌が移動したり崩壊を繰り返し安定しません。しかも、言わば生まれたての砂ですから栄養分ほとんど含まれていません。下の写真はそんな痩せた砂礫に芽生えたばかりの一年生と二年生です。明け方の冷え込みで生じた結露を大切に利用しています。
登山道から目立つのは可愛い花をつけた親ばかりですが、登山者がうかつに登山道以外の砂礫地に入り込むと小さなコマクサの赤ちゃんを枯らしてしまうことになります。折角たどり着いた北アルプスの稜線、時間に余裕をもって丁寧に歩いてみてください。
美しい花と、常に砂礫が動き、他の植物が生育できないような厳しい環境に生育する事から「高山植物の女王」と呼ばれていますが、実態は未開の地に根づく先駆植物、パイオニアなのです。しかも、他種の侵入が難しいので、コマクサは大群落となる多いのです。女王様がたくさんいるけれど、家来がいない少し淋しい女王様なのです。
昔は、花の美しさよりも薬草としての価値が高く、腹痛の妙薬としてして、トウヤクリンドウと共に乱獲されました。薬効があるということは裏を返せば毒草ということです。成分としてディセントリン、プロトピンなどを含み、嘔吐・体温の低下・呼吸麻痺・心臓麻痺などの中毒を起こすようです。今時、採取する不届き者はいないでしょうが。
北海道大雪山にのみ生育する天然記念物のウスバキチョウの幼虫は、コマクサを食草としているそうですが、毒を体に入れて天敵から身を守っているのでしょうか。
高山植物の女王も、御岳ではかつて「オコマグサ」という名で、登山記念として一株一銭で登山者に売られ「一銭草」とも云われた時代もあったということです。
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加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。
2011.06
27
Mon
オトギリソウ
夏山に出かけた時、中腹の日当たりのよい斜面でよく見かけます。花自体は雄蕊が花火のように目立つ黄色い花なので、きれいだなぁ ぐらいにしか見ていませんでした。しかし、花の名が 弟切草 です。次男坊の私は少し気になったので、調べてみました。私が見た写真のオトギリソウは イワオトギリ というタイプだと思います。
オトギリソウ(弟切草/生薬名:小連翹(しょうれんぎょう)/学名:Hypericum erectum)は、オトギリソウ科オトギリソウ属 の多年生植物です。世界の温帯にはオトギリソウの仲間が300種類もいるそうです。
漢方の世界では、全草を8~10月の果実が成熟するころ刈り採り天日で干して乾燥させ、これを生薬(しょうやく)とし、小連翹(しょうれんぎょう)と呼んでいるようです。薬効は専門家にお聞きになると良いかと思います。
気になるオトギリソウの由来です。そのお話はこうです。
「平安時代(794年-1185年/1192年頃と言われています。)に晴頼(せいらい)という鷹匠(たかしょう)がいました。薬草を用いて鷹の傷を治すことで有名でしたが薬草の名は秘密にして決して口外しませんでした。ある日、人のよい弟がその薬草の名を他人に漏らしてしまいました。これを知って晴頼(せいらい)は怒って、弟を切ってしまいました。」そのときに庭に栽培していた薬草に弟の血潮が飛び散り、その跡が葉に残っていてオトギリソウの名がついたとされています。
この物語が記されたのが江戸時代の百科事典「和漢三才図会(わかんさんさいずえ)(1713)」ですから、晴頼さんが生きていたのが平安時代の終わりとしても、言い伝えを500年後に書き記したことになるとは驚きです。平安時代は390年程続いていたことも考えるとすごいことだと感じてしまいます。
今のように情報過多ではないので、余程、重要な薬草であったので庶民に正しく情報伝達をするために、インパクトのある話に仕立て上げたのでしょうか。それとも医者という特権階級が重要な薬草と知られないように「兄弟殺人事件」に仕立て庶民から遠ざけたのでしょうか。
セイヨウオトギリソウは別名 セントジョーンズワート(セント・ジョーンズの草)とも呼ばれています。中世ヨーロッパでは「悪魔を祓うといわれ、ケルトの祭日には聖人セント・ジョンの像に飾られるそうです。
薬草である一方、私たち登山者としては毒草であるという認識も必要です。昔から薬と毒は紙一重といいますから。
毒成分と言われているのはヒペリシンといわれる一種の色素毒です。黒紫色素のヒペリシンは紫外線を強く吸収して、生体内における光化学反応を異常に促進するものです。
オトギリソウを食べた牛や馬が太陽光線に当たると、強い皮膚炎を起こし、脱毛し肉質も落ちてしまいます。マウスにオトギリソウを与える実験では暗所では正常なマウスが日光に当たると急に痙攣(けいれん)を起こして死んでしまいます。これもヒペリシンの作用と考えられます。
様々な作用を及ぼす成分が含まれる野草を「天然だから安心」などという幻想で口にしないよう注意したいものです。
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2011.06
10
Fri
梅雨時の今、アジサイが色づく季節になりました。大きな毬のように改良されたアジサイをが一般的ですが、元は日本の暖かい地方に自生するガクアジサイです。ところで、アジサイには毒があります。ある居酒屋で皿に飾られたアジサイの葉と花を食べて中毒を起こした事件がありました。蒸し暑い梅雨時、爽やかな青いアジサイを良かれと思って飾ったアジサイを菊花や大葉と同様に考えて、お客が食べてしまいました。その成分は青酸配糖体(グリコシド)といわれています。
ところでアジサイの色が土壌のpH度、アルミニウムイオン量、開花からの経過日数によって、変化するのはご存知ですか。酸性土壌でアルミニウム成分が多いと青色になることが多いようです。又、同じ場所に生えているものでも花の終わり頃には赤くなるそうなので、今年はデジカメで定点観測をしてみようと思います。
六甲山にもコアジサイやガクアジサイが自生しています。雨だからといって家にこもらずに快適雨具を着てハイキングに行くのも良いですよ。
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2011.06
09
Thu
早春の花で有名なカタクリはブナやミズナラなどの落葉広葉樹林の林床に咲きます。場所によって違いますが、4月から5月下旬くらいまでの間に咲きます。毎年この時期に咲いているからと思って見に行くと花が終わっていてがっかりする事があります。せめて、葉っぱでもないかと探してもまったく見つからない、それがとても不思議でした。
カタクリの花
落葉広葉樹林の山は、冬、太陽の光が林床までとどきます。春先、雪が消えた頃にまだブナなどが葉を茂らすまでの短い間に、カタクリはさっさと花を咲かせ実を付け、葉が茂り林床が薄暗くなる頃には地上からカタクリは姿を消して11ヶ月の休眠に入ってしまいます。植物にとって実を作り子孫を残す大仕事を短い期間で成し遂げてしまうこのような植物は「春の女神」と呼ばれる事もあります。
カタクリの実
春先の山々では太陽光線の争奪戦が行われているのです。光線をめぐる争いは全ての植物の宿命です。新緑の今、可愛らしいブナの実生苗が果たして大きくなれるか、次回の山歩きではその点に注目してみませんか。
ブナの実生
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2011.05
18
Wed
六甲山を歩いていてアセビがとても目に付くのですが気のせいでしょうか。別に急にわんさか生えてきたはずもなく私が意識しているだけかもしれません。
アセビは春に白く可愛い花をつけるので、気づいている方も多いかと思います。その花もゴールデンウィークを過ぎた今頃は終わりに近づいてきます。
普通はあまり太く立派な幹にはならないのですけれど、六甲山油こぶし登山道がほぼ水平になる辺りでは、ほぼ独占でアセビに覆われています。ねじれて曲がり、独特の幹はアセビとしては大木ではないかと思います。
このアセビは馬酔木と当てる通り、毒があります。有毒物質の名はアセボトキシンです。有毒であるのは野性動物もわかっているので、選択的にアセビばかりが残った結果、アセビばかりが残ったのかもしれません。六甲山は鹿より猪が多いですが雑食のイノシシは植物をどのくらい食べるのでしょうか。アセビが密集するとその落ち葉からでる、他の植物の生育を妨害する物質がでるので、益々独占していくらしいのです。その内、自家中毒になったりするのでしょうか。
先月23日、綿向山に行ったときもアセビが多いように感じました。ここには鹿の糞があったので、原因の一端は鹿に有りそうです。頂上近くの山腹を覆うチシマザサも心なしか元気があまりなかったようでした。本当の理由はわかりません。
生き物が食料を求めて活動するのは当然です。目立つ部分だけの保護が先走っては貧弱な食糧事情では食うに困って・・・・となりかねません。人の生活圏との分離が理想ですが、生き物を育む豊かで多様性のある森を目指して施策をとっていきたいものです。
これから山蛭の季節で少々憂鬱ではあります。この時、まだ4月で油断していましたが、手首が蛭に吸われてしまいました。 ヒルや蚊やブユなど虫の季節になりました。上手に避けて山にお出かけください。
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2011.04
06
Wed
ソメイヨシノが関東地方でも満開になってきました。日本列島は南北に長く、又、国土の多くが山岳地帯であることによって芽吹きと花の季節が長く楽しめます。山に出かける方の中には何度も花を楽しむ人もいいらっしゃるでしょう。
今回は「福寿草」です。春を告げる花の代表で、元日草(がんじつそう)の別名もあります。きんぽうげ科フクジュウソウ属。分布:北海道、東北、関東、中部などの山地に自生する多年草で、早春に新芽を出し、鮮黄色の花をつけるので、縁起の良い花としてお正月に飾られます。多くの園芸種があります。草丈10-30cm。葉は互生し、3-4回羽状複葉で小葉は皮針形。花期は2-4月。茎の頂にやや大型の黄色花を単生します。
埼玉県日高市 日和田山にて
この時期、福寿草が有名な標高1143mの藤原山は本州中部にお住まいの方にとっておなじみの山です。中腹より上は石灰岩からなり、山頂は平たんな準平原状を呈し、カルスト地形がみられる山です。
さて、この福寿草に含まれるのは、特に心臓に作用する強心配糖体「アドニトキシン」など20以上の毒が含まれています。なぜ、注意を促すかといえば一部の情報源には強心剤と書かれているからです。過去において、根を乾燥させて煎じて飲んで死亡した重大事件がありました。
私たちにとって、福寿草は昔から、縁起の良い植物として生活の中に深く入り込んで警戒心が薄れていますが、「毒草」であると認識しなくてはいけません。身近にある山草や植え込みの植物が毒草である場合があります。うっかり食卓の飾り物で使って中毒になることがないようにしましょう。
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2011.03
30
Wed
コバイケイソウハ初夏の山、湿地や草原でもやや湿ったでよく見ることができます。ユリ科の植物です。よく、オオバギボウシと間違えてコバイケイソウを食べる食中毒が発生するのですが、写真にあるように生えている場所も違いますし、大きくなった姿で間違えることはありません。それなのに毎年のように食中毒が発生するのは、それぞれの若芽が見た目が似ているからなのです。
まだ花には間がありますが、明後日から四月ですから、毎年のように発生する食中毒に関してお話します。
10年ほど前ですが、富山県の山中で各自、独活などの山菜を取ってきてその場で天婦羅などで食べていました。そこで起きた事件の顛末はこうです。ウド、ギボウシなど選り分けていた先輩がギボウシを正に調理しようとした時、もう一人が「コバイケイソウの若芽とギボウシは似ているのでチェックしよう」と言ったのです。先輩は「俺のことが信用できないのか、間違いない。」と言ったのですが、果たせるかなコバイケイソウが一本混じっていたのです。些細な一件ですが、先輩にとっては、10年経ってもこの話題を持ち出される痛恨事となったのです。
コバイケイソウ
オオバギボウシ
何と大げさなと思った方もいるかと思いますが、コバイケイソウには強い毒が含まれているのです。先に書いた事件は雪深いと高め件の沢筋での事件でしたが、コバイケイソウは中部以北では多く見られ、必ずしも高山に限りません。4月以降になるとギボウシ山菜を採りに行く方は注意が必要です。コバイケイソウの新芽も葉も茎も根もすべて有毒で,毒性の強いプロトベラトリンなどのアルカロイドを含みます。このアルカロイドは煮ても湯がいても天ぷらにしてもなくなりません。食べてから30分~1時間くらいで下痢や吐き気をもよおし,血管が広がって血圧降下,心拍数の減少,めまい,手足のしびれ,けいれんなどの症状が出ます。重症の場合は意識不明となって死亡します。
オオバギボウシとバイケイソウの芽生えの見分け方は一般には次のように言われています。
1:オオバギボウシの芽では、葉は巻いていて葉脈は外側に出張っています。バイケイソウの芽では、葉は折りたたまれて葉脈は溝となっています。
2:オオバギボウシの裏側は無毛ですべすべしていますが、コバイケイソウは細かい毛が生えてザラザラしています。
2:オオバギボウシの葉には、長い葉柄がありますが、バイケイソウの葉には葉柄がありません。(芽生えでは葉柄がよく分かりません)
以下のサイトにわかりやすく説明が出ていました。
茨城県林業技術センター
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2010.09
27
Mon
紅葉狩り、紅葉と書いて「もみじ」と読んで「もみじ狩り」なので、少々ややこしいですね。
では、モミジとカエデとでは何が違うのか調べてみました。
植物分類学では切れ込みの浅いカエデも切れ込みの深い手のひらの様なモミジのどちらも同じカエデ科カエデ属です。カエデの語源は蛙の手の様なので「かえるで」という所からときているらしいです。
「モミジ」は紅花から染料を揉み「もみ」出す様子がカエデの葉の色づきと似ている所から、「もみずる」が名詞化して「モミジ」となったらしいのですが、紅葉の代名詞といわれますモミジは色づく葉を持つ植物を指す俗称で、日本には30種類以上のカエデ科の植物が見ることができるそうです。
赤くなるのも黄色くなるのも紅葉と言っていますが、紅葉はどういうメカニズムでできるのでしょうか。
赤くなる仕組みは次の通りです。
秋になると植物は葉を落とすための準備を始めます。葉柄の付け根にコルク質の組織がつくられ、物質の行き来はここで妨げられます。光合成で生産された糖は茎に移動できずに葉に溜ります。この糖から赤い色素アントシアニンができて葉は赤くなります。葉はやがて、離層のところで切り離されて落葉します。
この赤いアントシアニンの合成は、1日の最低気温が8℃以下になると紅葉が始り、5~6℃以下になるとぐっと進むといわれています。鮮やかに紅葉するには、日中の気温は20~25℃で夜間は5~10℃になり昼夜の気温の差が大きいこと、空気が澄んで葉が充分日光を受けられ糖を合成できることが重要です。
葉が赤くなるものはカエデ、ナナカマド、ウルシなどです。アントシアニンは、熟したリンゴやぶどう、ブルーベリーなどの赤や紫の色素と同種の物質です。ナナカマドはバラ科の落葉高木。赤く染まる紅葉や果実が美しいです。私は以前この実を焼酎につけてみたことがあります。あまり、砂糖を入れずにやや苦い感じの果実酒に仕立てた大人の味でした。
黄色になる仕組みは次の通りです。
葉には緑色のクロロフィル(葉緑素)と黄色のカロチノイド(カロチン類とキサントフィル類)の色素があります。その量はクロロフィルがカロチノイドよりずっと多いので、黄色はめだたず葉は緑色に見えます。
秋、気温が低くなると幹と葉の間を行き来する栄養が弱まり、クロロフィルの分解が進んできます。そのため、クロロフィルにかくされていたカロチノイドの色がめだって黄色になります。ブナやコナラやカツラの葉が秋に黄色になるのはそのためです。
立山の称名道路の桂台にある大きなカツラは道路脇にあるので、どなたでも見ることができます。散り出すとあっという間のカツラの落葉ですが、今年はいつ頃でしょうか。
長雨が続いたりや台風に傷めつけられた年、冷え込みが弱いとあまりきれいな紅葉にはなりません。猛暑が続いた2010年の紅葉はどうなるでしょうか。富士山の初雪は9/24と報道されました。昨年は10/10でしたので、早いですね。北海道の山々にも雪が降りましたが、紅葉の話題はあまりないようです。
昨日26日、快晴の金峰山2599mに行ってきましたが、全く紅葉はありませんでした。日本列島は南北に長いので、秋山はこれからが本番です。
秋山はあっという間に冬山になります。寒さに慣れていない上に、急変する気象による遭難が一番多い季節でもあります。
秋山にふさわしい暖かいウェアや安心の装備が店頭に並ぶ季節になりました。自宅の装備と店頭商品を点検して、万全の準備で山にお出かけください。
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2010.08
23
Mon
以前、秋に訪れた時に大きなブナの大木の下にブルーシートを敷き、実を集めている人たちがいました。話を聞いてみると林業関係の方たちで、当たり年にこうやって、ブナの実を集めているとのことでした。
その時は何のために集めているか深くは詮索しませんでした。当時、林業関連で広葉樹林がその役割について再評価されだした頃だったので、それを使って実生苗を生産するのだと思っていました。
ブナが似合うのは冷涼な土地、雪深い地ではないでしょうか。ブナを訪ねる山旅をすると、日本海側の雪深い山ではブナの純林が多いような気なします。一方、中部山岳地帯の前衛山塊ではミズナラなどが混じるような気がします。
ところで、ブナの種類について私は、イヌブナとブナの二種類だと思っていたのですが、世界には約10種類ほどあるということです。
イヌブナとブナとの違いですが、ブナは幹が比較的すらっとしていて、基本的に1本で立ち上がっています。これに対してイヌブナの方は自然の状態で、伐ったわけでもないのに株の根元付近から萌芽によって何本も何本も幹を増やしていき、枯れるとまた小さなひこばえが大
きくなるといったかたちで成長していきます。
同じ日本のブナでも北海道南部の渡島半島から九州南部鹿児島まで、日本海側、太平洋側の両側に広く分布し、様々な変異があることが知られています。
日本海側のブナの葉は大きく肉薄で太平洋側のものは葉が小さく肉厚です。日本海側のブナはすらっとしており、太平洋側のブナは低いところから大きく広がり枝分かれしているものが多いようです。
実はイヌブナは日本海側には分布には分布しないようなのです。これは雪が分布の制限要因になっていると考えられます。
このように日本は南は九州から北は北海道まで幅広い気候があるだけでなく、太平洋側と日本海側で大きく積雪量が違うのが、植生に影響を与えているようです。
先日、飛騨の山に行った時、昨年がブナの当たり年であったのか、沢山の実生苗が下草に負けじと生えていました。ブナは長寿であり、日陰に強い木といわれています。幼樹は自分の廻りに光が差し込むのを、運動会の徒競走のスタートのように待っているようでした。
この山はブナの純林ではなく、ある一部の一帯に優先的に生えているようでした。
雪とブナはどのような密接な関係があるのでしょうか。
ブナの実が冬の乾燥した季節風や低温に曝されないですむこと。
実が雪に覆い隠されると、ネズミなどに食べられる危険が減ること。
同様な理由で、シカに食べられる危険が減ること。
雪があると笹などの下草が雪に押さえられるので、地表があかるくなり成長に有利になること。
雪解け水が豊富に水を供給してくれること。
雪の多き山では山火事が少なく、より成長の速い樹木の侵入を抑制できたこと。
などが考えられるのです。
六甲山にもブナはありますが、この種類は北陸や東北の種類とは違う、所謂、変種であるようです。
植物の分布は長い歴史があり、氷河期など大きな気候変動の結果が写真で切り取られたようなものです。人類の急激な膨張や気象の変動は植物や動物の変化のスピードとは明らかに違っていると思います。
しかし、6500万年前の巨大隕石の衝突で恐竜が絶滅したように、種の急激な絶滅や進化は隕石のような破滅的な外的要素によるところがあるのでしょう。
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